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2025年05月19日
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なんか出てきた。
2009年04月26日
データ整理中(現実逃避)
やべえおおお終わる気しねえよおおおおおおお
絵描きとかは原稿の進捗^^ってうpできるけど字書きじゃ進捗(pgr とかできねえひたすらこもってます。
さっき壁ぶち当たってぐれてたのでデータ整理してたらなんか懐かしいのでてきたので乗せておく。
幻想水滸伝2のオンリーでだしたやつ。
このころからアッパーで楽しいお話を書いていなかったようです。
やべえおおお終わる気しねえよおおおおおおお
絵描きとかは原稿の進捗^^ってうpできるけど字書きじゃ進捗(pgr とかできねえひたすらこもってます。
さっき壁ぶち当たってぐれてたのでデータ整理してたらなんか懐かしいのでてきたので乗せておく。
幻想水滸伝2のオンリーでだしたやつ。
このころからアッパーで楽しいお話を書いていなかったようです。
『この国を、導いていって下さいね』
僕の号令のもとに積み上げられてゆく幾万の屍。
『この国をよろしくお願いしますね』
『この国を』
『この国を』
『父を、母を。私を』
軍馬が地平を怒号とともに走り抜けてゆく。
うめる剣戟。
土煙。
遠くからそれを見ていた。
僕は確かにその戦いの先頭にたっていたのに、心はどこか遠くから、それを眺めていた。
そこは緑萌える丘だった。
いまは踏みつぶされ、泥にまみれ、見る陰もない。
男たちは剣をあわせ、吠え猛る。
血と、狂気。それがこの丘を彩っている全てだった。
これが、痛みなのか。
こんなものが。
これは国産みなのだと男は言った。
何かを成すには痛みが必要なのだと。
痛みとはなんだ?
では、こんな、自分のために死んでいった人たちの人生すらも、僕は痛みという言葉で片付けることができるのか?
これを、夜明けと言うのなら、僕は朝などいらない。
その日は肌寒い日だった。
空は晴れ渡り、ますます空気は冴え渡っていた。 誰もがさりゆく秋と忍び寄る冬の気配を感じていた。
そしてやがてくる夜明けも。
ひどく、のどが乾いていた。
何が起こったのだろう。
現実がどこか遠くに遠のいているような錯覚を覚えた。
ここはいま、どこで、僕はなにをしていた?
そしてなにが?
僕はどうしても、いま起こったことが理解できないでいる。
「子娘がよけいな事を。まあいい、武器は弓矢だけではない。それ、多勢に無勢だ。さっさとかたずけてしまえ。なあに、敵の首魁とはいえしょせんは子供だ。われら白騎士団のかなう敵ではない」
はははははははは。
男のしわがれた笑い声が響く。堅牢な石造りの城塞は天井も高く、驚くほど響いた。
さっさと・・・・?
誰が、何を?
そこに倒れているのは誰だ?
笑っているのはだれ?
そして僕は?
きつく、どうしようもなく熱くなる頭とは裏腹に手足が冷たくなるのを感じていた。まっ黒い染みが頭を包んで、僕の目を、耳を塞いで、だけど握り占めた腕の力はますばかりで、僕の体を支配した感情は目の前の男に向けられた。
白い騎士たちに守られた男は、いままで見たどの人間よりも矮小で、そして馬鹿な夢を見る老人に見えた。
老人が笑っている。
何が可笑しい。
何をそんなに笑っている。
笑うな。
笑うな。
「笑うなぁぁぁぁ!!!!!!!」
老人が振りかぶった剣をふり下ろす前に、打ちつける。渾身の力を込めて。
剣はその刀身なかばで折れ、間抜けな格好になる。老人はたじろいだ。
打ちつける。
ふり下ろす。
真っ赤だ。
打ちつける。
打ちつける。
打ちつける。
打ちつける。
「もういい! 止めろ!!」
気付けば、そこに老人はいなくなっていた。
人ではないモノに。
そしてとなりにいた少年のことを、やっと思い出すことができた。
「ジョウイ」
「もういい、終わったんだ。だからその手を放していいんだ」
ねえ、どうしよう。
「さあ」
こわばったまま動かない、トンファーを握ったままの指を、彼の指がひとつひとつほぐして開かせていく。否、それはもはやトンファーとは呼べない代物へと変化していた。
赤に染まったただの棒切れ。
高くうつろな悲鳴を上げてそれはゆかに落ちていった。
「ナナミが」
僕はやっとその言葉を言えた。
駆けより、抱き上げた体はびっくりするほど華奢で、僕の心を狼狽させた。
青い顔、喘鳴、痛みに耐える寄せられた眉。
「だいじょうぶだよ」
気丈に振る舞おうとするナナミの声が、だんだん小さくなっていく。
逃げていきそうな、そんな予感。これはゆめだ、こんな事、起こり得るはずがない。違う、戦いに身を投じる以上覚悟してなきゃいけなかった事だ。
いやだ!
こんなのはいやだ!
ゆるさない!
(だれを?)
もういやなんだ!
(なにを?)
お願い、いってしまわないで・・・・
「お姉ちゃんだもん」
「だから……………」
足音。
罵声。
嘆願。
そのどれもが現実味を欠いていて。
「…………どの!!」
「これは!?」
「お前たちは先に行って旗を焼いてくるんだ」
「お前はホウアン先生を呼んでこい」
「まだ息はあります」
「ここでは」
「王国軍が兵を引き上げていきます」
「早く運んで下さい」
早馬。
目眩。
見えないし聞こえない。
(見たくない、聞きたくない)
重厚な木の扉はいまは閉ざされて、奥とここを目に見える形で結界していた。
僕はその前で立ち尽くしていた。
手も足も動きそうもなく、そしてきっと僕のいまの顔は紙の様に白くなっているのだろう。五感のすべてが鈍くなり、そして鋭くもなっているような感じがしてならない。
「…………すみません……わたしの力…………不足です」
暗転。
瞬間、僕は意識を失ってそこに倒れ込んだ。
(怒り)
そんな生易しい言葉じゃ飽き足らない。
(殺意)
黒くうずまく感情を、それ以外のなんて呼ぶのか僕には分からなかった。
もう一人の僕が言った。
「すべてを燃やし尽くせばいい」
「終わらせてしまえばいいんだよ」
「君はとっくに飽いていたんだろう?」
囁きは優しく僕の心を抱きしめて浸透していった。
深い、心の深くて硬いところにまで。
僕は首をふる。
まだだ。
(まだ終わっちゃいない)
もう一人の僕はそれを聞いて、何もいわずにどこかへ行ってしまった。
ああ、そういえば、彼の顔をちゃんと見ていなかったと、ぼんやりとそう思った瞬間、目の前を強い光が被った。
「いいかげん起きなよ。もう昼だよ」
大きなテラスへと続くカーテンがあけられて、その光がマトモに顔にあたっていたのだ。その眩しさに僕は目を醒ました。
ああ、朝だ。
朝が来ている。
一気に鳥肌がたつ。
また、朝がやってきたことに。
しかし女はそんなことにも頓着せずに言葉を続けた。
「いつまでもそうしちゃいけないことだって、あんたわかってるんだろ? そんなことじゃ、ナナミも心配してしょうがないよ。ほら、軍師さんが呼んでたよ」
月並みな言葉に、別に嫌悪は抱かなかった。感動もしなかった。
そして軍師はこういったのだ。
「軍師として助言いたします。いまこそ、ハイランドに攻め込みすべての争いの元を断つべきです」
我知らず拳が震えていた。
ときの声が上がる。
大きな、歓声。
ついに王城から火の手が上がり、兵士たちは快哉を上げた。
壮麗な城はいまは見る影もなく、炎が取り巻きごうごうと最後の叫びを上げている。
皆が、手を取り、よろこび会い、歓喜に胸を震わせていた。
長きに渡り北方を支配していたハイランド王国は滅亡したのだ。
目の前に少年が倒れている。
若い、そして最後の真の王であった彼は、自らの決着を僕にゆだねた。
なんて、酷い。あまりにも残酷な仕打ち。
僕に恨むことさえ許さずに君は消えていく。
僕をおいて、君が、君だけが、許されるのか?
そして僕だけが背負っていくんだ。僕達が築き上げた屍を、その罪を。
幾千幾万の血の海を、僕だけが一人きりで。
「はははは」
ああ、おかしいよ。
あはははは。
僕はなんだ?
僕は僕だ。
同盟軍の盟主。
それから…………。
ナナミ、僕のお姉ちゃん。
死んでしまった。
ジョウイ、僕の親友。
僕が殺した。
ははは。
ははははははははははははははは。
わかったよ。ジョウイ。
「どうか、この地に国を打ち立て、その国を導いていってほしいのです」
男はそういった。
僕は、玉座に昇った。
ふたつの紋章をひとつにして。
僕は、真なる紋章の呪いを抱いたまま、その頂に立つ。
姿を変えることなく永劫の時を生きるものとして。
この国の王は不死であるという。姿形は年若い少年のようであるのに既に在位は八十年にも渡る。
不死の奇跡を受けた少年王。
それは国民が生まれて来て直ぐに教えられる、昔語りというには近すぎる、かといって最近でもない、歴史の物語。
王はこの国の前身であるジョウストン都市同盟を率いた盟主であった。
ハイランド王国により侵略を受け、滅亡の危機にあったジョウストン都市同盟に彗星のごとく現れてこれを救い、逆に勝利をもたらした。少年を盟主に抱いた同盟軍は破竹の勢いで王国軍を追いつめていき、そしてついにハイランド王国を打ち倒してこの国を立てたのだ。
この国の王であり英雄。
王を戴いている限り王国は永遠に栄華を誇るだろうと、だれしも思っていた。
街には花があふれ、笑い声のたえる事はない。
施政にも何の揺らぎもなく、不満の声もない。
王国は黄金の時代を迎えようとしていた。
そして今日、最後の宿星を背負ったものが死んだ。報告では彼は弟子たちに囲まれ長い生を全うし、静かに息を引き取ったいう。享年111歳。建国からちょうど100年。記念式典の3日後のことであった。
僕はその報告を聞きながら、じっと目を閉じた。
すると、あの時の僕がまた、心に滑り込んで来た。
彼はあの時のままで、こちらを見つめていた。
「すべてを燃やし尽くせばいい」
優しい声はやがて姉の声にすりかわる。
「終わらせてしまえばいいんだよ」
これは親友の声に。
「終わらせてしまえばいいんだよ」
たくさんの声が、いまはもう会えなくなってしまった人々が口々にそう言った。
慰めるみたいに。
「君はとっくに飽いていたんだろう?」
最後の言葉は、僕の声で、もう一人の僕がそう言った。
「そう、僕はとっくに、飽きていたんだ」
飽いていたのだ。
生きることに。
背負うことに。
見続けることに。
あの時から。
乾いた心とは裏腹に頬には自然と笑みがこぼれる。
もうひとりの僕は、しばらく僕の顔を見つめていたが、やがて悲し気な顔をして消えていった。
そう。終わらせてしまえばいいんだ。
いつまでも僕は笑い続けた。
かつては広大で、豊かだった街は、恐怖と怨嗟に満ち満ちている。
暴悪な魔に支配された国は、いままさに最期の時を迎えようとしていた。
白亜の王城は猛る男たちの声がこだましている。
すべてはあの時と同じ様に。
王城に深く腰掛け、あとはそれを待つ。
窓の向うの空はどこまでも遠く澄んでいる。何もかもあの日と同じだ。
違うのは僕の立場だけ。
そう仕向けるのにどれほどの時間がかかったのだろう。
それでいい。
僕はそれを待っていたんだ。望んでいたんだ。
終わらせてくれる存在を。
家臣たちはいずれも金目のモノを盗んで逃げていった。
いまこの場内で僕を守る者は誰もいない。
残っているのは、近衛兵のみ。
そして最後の砦、王の間の扉を守っていた兵士たちの断末魔の声がした。
扉が勢いよくあけ放たれる。
飛び込んで来た少年の姿は、あの日の僕自身だった。
そして太陽歴403年。
王国は滅んだ。
奇しくも建国150年目のその日のできごとであった。
ここにその国の歴史は閉じられる。
歴史書に記載された王の名はたった一人だけだったという。
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