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2025年05月16日
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あけもどろのふたり
2009年09月23日
*
ぱち
木が爆ぜる音で目を覚ます。
慣れているとはいえ土の上で寝るのは体にこたえる。マントをシーツ代わりにしていたけれど、すっかり冷えてしまった体をさすった。
勢いの弱くなった焚き火に、金髪の青年が小枝を投げ入れた。ややあって火は再び強くなった。何時間たったのだろうか、そろそろ火の番を代わろうと身を起こす。
「ああ、まだ寝ていてもかまわないぞ」
「かまわん。交代だ」
ざっと手ぐしで髪を整えて後ろに流す。目にかかる前髪は嫌いだった。ここにはいない誰かを思い出させてしまうから。
自分も、この男も。
とらわれている。
「そうか。眠くなったら言えよ。代わってやるから」
この男は。
自分に対して何か含みがあるはずに違いないのに、それでも優しい。だが、その優しさが憎たらしい。
背中を向けるようにして横たわる男の背中を睨みつけながら爪をかむ。
本当は。
まだ―――
「俺が憎いか」
ぽつりとつぶやいた言葉は、かすかではあったけれど男の耳に届いたのだろう。ぴくりと体を震わせた。
しかし、応えは無く。
期待もしなかった自分は傍にあった木の枝を火の中に投げ入れた。
炎の光をはじく金髪から無理やり視線をはがし嘆息を入れる。
どこかで鳥の鳴き声が聞こえた。夜明けが近いのだろうか、かすかに見える山の稜線は徐々に白み始めていた。
*
たんに赤毛と金髪二人旅ってシチュに萌えただけです。できたらED後で、赤毛と金髪は消えてしまったもう一人の赤毛を捜しに行くんです。 コンタミ?なにそれ知らないよ。精神はガイ←アッスで。片思い。
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